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ハンカチ王子からの転落…日ハム・斎藤佑樹の”ごっちゃん体質”

ハンカチ王子からおねだり王子へ?(「斎藤佑樹投手 パーフェクトブック」より)

 2006年、夏。甲子園大会決勝戦で延長15回を闘い抜いて引き分け、翌日に再試合。駒大苫小牧を相手に再び投げきり、見事に母校・早稲田実業に優勝をもたらした。そして、死闘の最中もハンカチを取り出しては額の汗を拭う爽やかな姿が、日本中を虜にした。

 現在は北海道日本ハム・ファイターズ所属の斎藤佑樹(28)投手の登場は、まさにスター誕生だったが──星は地に落ちてしまった。

 老舗スポーツ出版社「ベースボールマガジン社」の池田哲雄社長に、斎藤がポルシェをおねだり。最低800万円以上する高級車ポルシェ・マカンを使わせてもらい(注1)、過去にはマンションにも住まわせてもらったことが「週刊文春」(文藝春秋)の取材で発覚したのだ。

 ベースボールマガジン社といえば、「週刊ベースボール」、「週刊プロレス」、「サッカーマガジン」などを発行する名門であり、筆者も知り合いが大勢いる。

「近年、赤字続きでリストラを敢行したほどの経営状態。ただでさえ安月給に耐えている社員にとって、“ポルシェのプレゼント”は寝耳に水。社内は呆然としています」(ベースボールマガジン社の編集者)

 と嘆く社員たちには同情するのみだが、関心を集めたのは斎藤の堕落ぶり。これまでも甲子園決勝戦で投げ合った田中将大(注2・27)の活躍と比べ、プロ入り5年でわずか14勝。いまだに一軍と二軍を行き来する現状への叱咤はあった。

 しかし、今回はイメージを根こそぎ裏切る<ゲスおねだり>なだけに、様々な角度から批判が集中している。

「かつて桑田真澄(48)や水野雄仁(注3・50)が問題視されてペナルティも受けた、金品授受にあたるのでは?」
「野球選手なんだから、成績を上げて自分で買うべき」 

■そもそもゲスだった”ハンカチ王子”

 週刊誌やネットでの批判は、今回の騒動以前にも及んだ。

「だいたい斎藤はプロ入り前からテレビ出演して、”ポルシェ・カイエン(注4)が欲しい”だの、”青山の土地を買いたい”だのほざいていた。普通の20歳代前半の感覚じゃあない」
「大学時代から全体練習しかせず、個人練習を疎かにして遊んでいた。あれじゃあプロで成功するはずがない」

 まあ散々な評判。本当の彼は、あの爽やかなイメージとはかけ離れた行状が多いようだ。……それは大学時代に始まったという。

「早稲田大学野球部に入った途端、取材で女子アナが来るわ、今回のベーマガ社長みたいなタニマチは付くわ。もともとの性格もあるんでしょうが、勘違いせざるを得ない環境だった。高校球児はまだ<高校生だから>と守られている部分があったが、歯止めが無くなった」(スポーツ紙記者)

 有名私大の体育会出身者は、社会で特別扱いされがち。一流商社や大手広告代理店などにはOBがひしめき、採用枠もある。ましてや甲子園のスターだった斎藤には、特権だらけの人生が待ち受けているように見えただろう。

 高卒でプロ入りした田中将大について、かつて斎藤はこう評していた。

「24〜25歳の時点では、ピッチャーとしてマー君(田中)の方が上です。でも30歳、40歳になったらどうか?(略)そのための大学4年間だったと思います。そこは僕、けっこう自信を持っているんです」

 斎藤君がおねだりを覚えた4年間、田中はプロで切磋琢磨して球界のエースに成長。いまや年俸22億円に達した。ポルシェなど……ねだる必要も無い。

(注1)ポルシェ・マカン…ベーマガ社がリースして、又貸ししていた。
(注2)田中将大…楽天で大活躍した後、メジャーのニューヨーク・ヤンキースで先発投手を努める。
(注3)桑田真澄と水野雄仁の金銭授受疑惑…ともに読売巨人軍時代。
(注4)ポルシェ・カイエン…マカンよりさらに高価なSUV。

著者プロフィール

コンテンツプロデューサー

田中ねぃ

東京都出身。早大卒後、新潮社入社。『週刊新潮』『FOCUS』を経て、現在『コミック&プロデュース事業部』部長。本業以外にプロレス、アニメ、アイドル、特撮、TV、映画などサブカルチャーに造詣が深い。Daily News Onlineではニュースとカルチャーを絡めたコラムを連載中。愛称は田中‟ダスティ”ねぃ

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