■ 車椅子の天才物理学者
スティーヴン・ホーキング(Stephen Hawking)……1942年~。イギリスの理論物理学者。1963年にブラックホールの特異点定理で世界的名声を得て、量子宇宙論という研究分野の開拓者となった。
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一般人向けに理論物理の世界をわかりやすく解説した『ホーキング、宇宙を語る(原題:A Brief History of Time)』は和訳もされ世界的ベストセラーになった。
さて、ホーキング博士といえば、若くしてALS(筋萎縮性側索硬化症)を発症した「車椅子の物理学者」としても知られている。ALSとは主に脊髄と脳の運動神経が変性し、筋肉が徐々に萎縮していく進行性の病気だ。手足や口、舌などがコントロールしにくくなり、力が次第に衰える。有効な治療法は現時点ではほとんどない
特筆するべきは、ALSの発症後5年生存率は9~40%、10年生存率は8~16%と報告されている(ALS疾患啓発委員会資料)のに対し、ホーキング博士は発症から50年以上経過しても健在という点だ。2016年1月8日、彼は74歳の誕生日を迎えた。これは現代の理論物理学にとって大きな恩恵に違いない。
ただし、この病気は、自分では動けないが周囲の状況が分かってしまうために精神的なストレスが大きいという。そのためかどうかはわからないが、テレビ番組のインタビューで「ひどい苦痛を感じるようになったり、単に周りのお荷物になっていると感じたりしたら、幇助による自殺を考えるだろう」と語っている。