読みたい本、読まなくてはならない本はたくさんあるのに、一向に「積ん読(つんどく)」が減らない。そんな状況下で、「本が早く読めたらいいな」と思っている人は少なくないのではないでしょうか。
けれど速読に興味があっても、なんだか難しそう、としり込みしてしまう人も多いはず。
でも、楽しくレッスンを受講しながら読む速度を速める手段があります。
インストラクターの平井ナナエさんが開発した、「楽読」という速読トレーニングがそれ。右脳を活性化させる、まったく新しい速読法です。平均して3か月のレッスンを受けた後には、ほとんどの人の読む速度が上がるといいます。人によっては、7倍も速くなるというのですから驚きです。
レッスンでは、現在の読書速度を数値化し、レッスン後にふたたび数値化することで、速度が上がることを視覚的に実感できるそうです。
なにが楽なのか、なぜ早く読めるようになるのか、楽読の創始者である平井さんにお話をうかがってきました。
■本を読めなかった平井さんが楽読を始めた理由
文字を読んで理解するというのは、左脳の働きです。ところが、平井さんは根っからの右脳人間。子どものころから、本を読むのが苦痛で仕方なかったといいます。
これについて「本を読むと、左脳が優位になってしまうのが嫌だったのでは?」とご自分で分析されていました。
そんな平井さんが速読を知ったのは、3人の子どもを抱えてシングルマザーとしてバリバリ働いていた30代前半のころ。本にまったく興味のなかった平井さんを説き伏せて、友人が速読の第一人者の方を紹介したそうなのです。
そこで、いきなり読書速度が3倍以上になったことに驚いた平井さんは、「私は単純だから、これはすごいと思いました。なにせ、それまで本を完読した記憶がほとんどなかったですからね」と語ります。
当時の営業の仕事は完全歩合制でしたが、シングルマザーで働く時間も限られていたのにもかかわらず、平井さんは好成績を出していました。ところが、平井さんのまわりには高学歴でも自信をなくして辞めていく人が後を絶たなかったそうです。