人は目標や目的をもったとき、「誰かに成功のコツを教わりたい」と思いがち。そしてその気持ちが強い人ほど、各種セミナー、特に自己啓発セミナーにハマりやすいものです。
でも、セミナーに行った結果、「よしわかった! 次は行動だ!」と、すぐに実行できればよいのですが、実際にはそういうタイプは少数派。
むしろ、「まだ足りない」とばかりに、セミナーを次から次へと渡り歩人のほうが多いようです。1,000万円以上のお金をセミナーに投じる人も珍しくなく、そういうタイプを「セミナージプシー」と呼びます。
冷静に考えれば、「セミナーを渡り歩く時間とお金とエネルギーがあるなら、現実に目標や目的に向けて現実的に行動した方がいいんじゃない?」と気づくのですが、セミナージプシーにはそれができません。
なぜでしょうか? 実は心理的な理由が3つあるのです。そしてそれは多くの場合、幼少期の親とのかかわりに原因があります。
■心理1:失敗が極端に怖くて完璧主義
異常なほど失敗が怖い人、極端な完璧主義はセミナージプシーになりやすいタイプです。なぜなら、「完璧に準備をしないと成功できない」と思いこんでいるからです。いくら学んでも学んでも「あれが欠けている」「これが足りない」と、「ない」ところに目を向けてしまうのです。
「幼少期に100点以外は許されなかった」「ちょっとでも親のいうことに背くと猛烈に怒られた」など、失敗が絶対に許されなかった環境に育った人に多い傾向。
また、「100点か0点かのどちらかしかない」などといった二分的思考(「白か黒か」しか選択肢がなく、グレーゾーンを考えられない)に陥りやすいことも特徴のひとつです。
このタイプの目標や目的も「完璧な自分になる」「欠点が一切ない自分になる」であることが少なくありません。なかには、失敗をすること、完璧でないことが死と同じくらい怖いことととらえている人もいます。
■心理2:自分の頭で考えられない
セミナー講師のいったことを鵜呑みにし、まったく疑いを持たないタイプもセミナージプシーになりやすいタイプです。