相続税の対策上、不動産を買うと大きな節税になると言われています。この理由は、不動産は現金と異なり、評価をする必要があるからです。この評価とは、相続した段階の時価を計算することを言いますが、一物百価などと言われる通り、確実な時価を計算することはできません。このため、相続税の通達では、実際に取引される金額よりも低くなるような仕組みが取られており、実際のところは以下程度の金額で計算されることが通例です。
(1)土地 概ね80%
(2)建物 概ね70%
現金や預金で持っておけば、持っている金額の100%で評価されますので、評価額が下がる不動産は好都合と言われます。
■賃貸経営を組み合わせることが多いが
平成27年から、相続税が大きく増税されたこともあって、相続税対策としてアパートを建てよう、といった営業が広く行われています。アパートを建てるということは、財産を土地や建物として持っておくということを意味しますので、先の通り財産の評価額が小さくなり、相続税の節税につながります。
とりわけ、借金をしてアパートを建て、借金は今後の賃料で返済する、といったプランが提案されることも多いようです。借金については、その金額分相続税の計算上控除することができますので、更に相続税の節税につながる、といった話になります。
これだけ聞くと、アパートを建てて相続税対策すると安泰、と思われるかもしれませんが、相続税対策は別にして、このような対策は相続人に大きな負担をかける可能性があります。
■空室リスクは非常に大きい
アパートを建てても、入居者がいなければお金は入ってきませんので、借金の返済もできません。特に、日本は人口減少社会ですので、立地が良いなどの要件を満たさなければ、空室リスクは非常に大きいと思われます。
このため、アパートを建てても将来の賃料が見込めるかどうか、きちんと検討する必要があります。この点、不動産会社が一括して借り上げるため安心、などとサブリースを提案されることもあります。しかし、サブリースで安心などと言いながら、賃料の引下げ交渉がなされるなど、大きなトラブルに発展することは非常に多くあると言われます。
相続対策に有効だと言わているアパート経営の潜在的リスクとは?(松嶋洋)
2016.10.03 21:00
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