最近の税務調査では質問応答記録書という仰々しい書類が作られることが多いのですが、調査官としてもこのような資料を作るとなると大変ですので、国税の内規では、質問応答記録書を作成すべき場合が明確に定められています。
具体的には、国税が税金を課税するための客観的な証拠が乏しい場合や、不正の意思が問題になるなど、そもそも客観的な証拠が存在しないような場合がこれに当たります。
■立証責任との関係
質問応答記録書に限った話ではありませんが、税務調査の立証責任は原則として国税にあります。このため、例えば売上を抜いて収入を過少に申告している場合はもちろん、申告した経費が架空であり存在しないため、過大な経費を申告している場合についても、国税が納税者の申告が誤っていることを立証しなければなりません。
悪質な不正を行う納税者であれば、税務調査に入られる前に証拠書類を廃棄するようなこともありますが、こうなると客観的な証拠がないため国税としては経営者の証言などを証拠資料として税金を課税せざるを得ません。このような証言を記録するため、質問応答記録書を調査官は作成するのです。
となれば、客観的に証拠があれば作成する必要はありませんし、このような証拠が見つかる可能性があれば、本当に作成する必要があるか、調査官と交渉する余地があります。
■遅い時間に作られるのが通例
ところで、質問応答記録書を作成するような税務調査の場合、税務調査が終了する時間が非常に遅い時間になります。一般の税務調査であれば、納税者に負担をかけないためにも、そして調査官が残業せずに帰るためにも、会社を16時くらいには出ることが通例です。しかし、質問応答記録書を作成する場合には、税務署に帰る時間が18時を過ぎることもザラにあります。
このように遅い時間まで調査するのは、後日に作成するとすれば、納税者の記憶が曖昧になることもありうるため、証拠能力が相対的に下がるとされているからです。このため、夜遅い時間まで納税者を拘束してでも、当日中に質問応答記録書は作成すべきとされています。
しかし、その反面、納税者の健康状態などにも留意すべきという指示も出ています。
税務調査で質問応答記録書が作られる場合の対策を元国税が暴露(松嶋洋)
2016.10.17 19:00
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