接客に関わったことがある人なら、「お客への気づかい」や「心づかい」など、ひとことでいうなら「おもてなしの心」の大切さについて、何度も教えられたことがあるはず。
しかし、「おもてなし」は、教わってすぐ実践できるものではありません。これはスキルでもノウハウでもなく、むしろそれらの対極にあるものだからです。
『JALファーストクラスのチーフCAを務めた「おもてなし達人」が教える “心づかい”の極意』(江上いずみ著、ディスカヴァー・トゥエンティワン刊)この「おもてなし」を、わかりやすく説明し、誰にでもすぐ実践できる形にまとめた一冊。
今回は自身の現場経験にもとづいた「心づかい」の本質を、本書のなかで惜しげもなく披露している江上さんに、JAL(日本航空)でのCAの経験で得た「おもてなし」と「心づかい」について語っていただきました。
―― お客の中には感じのいい人も、そうでない人もいます。江上さんは感じが悪くて苦手だなと感じるお客に接客する時、どのようなことに気をつけていましたか?江上:そうですね、ちょっと横柄だったり身勝手な感じのお客様も確かにいました。そういうお客様に対しては、あえて多めに言葉がけをするようにしていましたね。
いくら感じが悪いからといって、避けていると溝は深まるばかりなので、いったん苦手意識は抑えて、あえて言葉がけをしてみるというのはとても大切だと思います。
――お客の立場からの質問なのですが、CAの方に「この人は感じがいいから、丁寧に接客しよう」と思ってもらうにはどうすればいいですか。江上:それは簡単です。おしぼりでもお飲み物でも、お渡ししたときに「ありがとう」と言っていただくだけでかなり好感度が高くなります。目を合わすことなく、黙って受け取られる方がほとんどですから(苦笑)、そのような一言は本当に嬉しいのです。
あとは、その時々で言葉をかけてくださる方、コミュニケーションを取ってくださる方には、CAの方もより親しみをもってサービスさせていただくというのはありますね。