Photo credit: Dietmar Temps via Visual Hunt / CC BY-NC-SA
発展途上国の貧しい子どもたちに、パソコンやタブレットを提供する。その目的はもちろん、現地の教育の質を向上させるため。
たとえば、東京の一室とアンゴラの農村部の学校をネット回線でつなぎ、遠隔授業をできるようにしたらアンゴラの社会問題はあっという間に解決するだろうか? アンゴラは長く続いた内戦の後遺症が今も残り、農村部では識字率が低い。それがこの国の大きな課題となっている。
ならば、アンゴラにタブレットとWifi環境を導入しよう。そうすれば、この国はより良くなるに違いない。
そうした考えは、じつは極めて安易なものである。
■ 問題は「道具の使い道」
最近、こんな本が書店に並ぶようになった。
タイトルは『テクノロジーは貧困を救わない(みすず書房)』。書いたのは外山健太郎氏という日本人である。かつてマイクロソフトの社員だった人物だ。
外山氏はその著書の中で断言する。最新のガジェットを発展途上国の小学校に送っても、問題解決にはまったく寄与しないと。
詳しくは実際に本を読んでいただく必要があるが、ここで敢えて一言に集約するなら「世の中、のび太のほうが出木杉くんよりも圧倒的に多い」ということだ。
ドラえもんが出した22世紀の道具を、のび太はじつにくだらないことにしか使わない。出来杉くんにどこでもドアを渡したら「これからマヤ文明の遺跡へフィールドワークに行く」と言うだろうが、のび太の場合は「これさえあれば学校に遅刻しない」と胸を張る。そしてこの世界、のび太のような発想の人間が多数派なのだ。
■ ゲームしかしなくなった!
外山氏はかつて、インドで貧困層の子どもにIT教育を提供するプロジェクトに携わっていた。