1月21日に亡くなった松方弘樹さん(以下 松方)の主演作品を紹介しようと思ったが『首領になった男』などが手元になかったため、今回は1989年公開の『将軍家光の乱心 激突』を紹介する。ちなみに松方は、敵の親玉ポジションである阿部重次役で出演。主演は緒形拳で石河刑部を演じている。
本作は三代将軍・徳川家光の後継者争いを描いた作品だ。とはいっても、史実では後継者争いを経験した家光が、早々に家綱を跡継ぎに指名していたため平穏に終わっている。というより、この家綱へのスムーズな将軍継承により、徳川家の将軍世襲制が磐石なことを世に示したとも言える。という訳で本作は、そんな安定感のあった時代で、無理矢理お家騒動を創作した作品となっている。
脚本スタッフがヤクザ映画を多く手がけてる影響か、時代劇とは思えない、非常にアクの強い作品となっている。なお、本作では湯治中だった後の家綱である竹千代(茂山逸平)を亡き者にしようと襲撃するシーンから始まる。冒頭から忍ばない忍者が温泉にカチコミに来るなど、かなり飛ばしており、意図的にストーリーを追わせないようにしているのかと思うほどである。序盤に語られた重次と刑部の因縁も、その後の展開では殆ど意味ないし。
大筋の流れとしては、刑部とその仲間である浪人たちが、堀田正盛(丹波哲郎)の依頼を受けて刺客を撃退しながら、江戸まで竹千代を送り届けるというものだ。なぜ、竹千代が暗殺されそうになっているかというと、重次が家光(京本政樹)の命令を受けて、刺客を送るというオチだ。この殺す理由がまたすごい、家光が乱心し、竹千代が自分と顔が似ていないから徳松(後の綱吉)に後を継がせたいという、耳を疑うような理由だ。いや、老中なんだから重次がそこは止めろよ。今で言う家庭内暴力みたいな理由で起きた、悪ふざけみたいなお家騒動に、大勢巻き込まれるあたりがかなり突き抜けている。
正直、開始数分で意味のわからない展開に圧倒されることになる。それを補って余りある、凄まじいアクション方面での勢いが本作の魅力だ。
本作は千葉真一がアクション監督として作品を監修している。当時は千葉率いるJAC(ジャパンアクションクラブ)全盛期ということで、とにかくアクションシーンが派手だ。
【不朽の名作】松方弘樹さんも出演していたアクションてんこ盛り時代劇「将軍家光の乱心 激突」
2017.02.04 12:00
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