世界のラグビーを語る。~コーチの目・栗原徹編~

| ラグビーリパブリック

多彩なスタイル、勝負へのこだわり。

フランスのラグビー、欧州のラグビーは勉強になる要素が盛りだくさん

WOWOWがフランスリーグTOP14、シックス・ネーションズを放送したことで、従来よりもグッと身近になった欧州ラグビー。自分のプレーへのヒントや、移籍する機会を求める選手たちとは違った視点で熱い視線を注いでいるのが各チームのコーチ陣だ。栗原徹さんは、日本の若手コーチの中でも知識、経験、スキルを兼ね備え、将来の日本ラグビーを担う指導者と目されている。栗原コーチの見たフランスラグビー、欧州ラグビー、そして世界のラグビーとは?

――栗原さんと海外ラグビーの出会いを教えて下さい。

最初は大学生の頃、慶大のコーチだった林雅人さんが、ちょうど始まったばかりの頃のスーパーラグビーの映像を、よく合宿所で見せてくれていたんです。当時はクルセーダーズとブランビーズが2強でしたが、僕はオーストラリア代表FBだったジョー・ロフが好きで、どっちかというとブランビーズを応援していました。ロフはスピードがめちゃめちゃあるわけじゃないけれど、間合いだったり、チェンジオブペースのタイミングだったり、ボールをもらう位置だったりが絶妙で、すごく勉強になりました。

――北半球のラグビーについては。

興味ありました。日本代表にいたとき、その頃イングランドのサラセンズにいた岩渕健輔さん(現・女子日本代表15人制強化委員長)と一緒になる機会があって、その頃僕は22歳か23歳だったのですが『22~23歳はもう若手じゃないぞ、世界に出るなら早く出て行った方がいい』とアドバイスされて。それから海外でのプレーを模索したんです。どこの国はどんなラグビースタイルで、どこのクラブにはどんなチームカラーがあるか、チャンスがあるとしたらどんな形か…というような情報を、集められるだけ集めました。イングランドは雨が多くてキックが主流だとか、フランスはボールを繫ぐラグビーが多いとか。僕自身、ボールを持って走りたい方だったし、できればフランスでやりたいと思っていました。実は、話がまとまる直前まで行ったチームもあったんです。残念ながら流れてしまったけれど、今もときどき『もしあのとき移籍できていたらどうなっていたかな』と思うときはあります。

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