税務調査で売上除外などの不正取引が見つかった場合、本来納付すべき税金に加えて、不正取引に対するペナルティーとして、35%ないし40%の重加算税が課税されます。この重加算税ですが、一般的には不正取引に対して課税されるとされているものの、法律的には「事実の隠ぺい又は仮装」に対して課税されるとされています。
少し専門的ですが、税金の計算上、不正取引とは「偽りその他不正の行為」とされています。文言を見ていただくとわかる通り、重加算税の要件と不正取引の要件は正確には異なっています。
■不正取引は脱税が対象、重加算税は調査しづらくすることが対象
税金の計算上、不正取引は、いわゆる脱税として整理されます。脱税は皆様もご存知の通り、犯罪行為であり、刑事罰の対象とされています。一方で、重加算税は刑事罰の対象ではなく、行政罰の対象になります。
専門的になりますが、重加算税の対象となる行政罰は、刑事罰とは区別されています。このため、重加算税が課されたからといって、社会的に制裁されるべき犯罪行為があったということではありません。
この点、正確には重加算税は税金が課税される事実関係を隠ぺいなどして、国税が税務調査をしづらくすることへの制裁として課税されるとされています。具体的には、売上があるという(法人税が増加することになる)事実関係を隠ぺいしたり、支払ってもいない経費を支払ったとして(法人税が減少することになる)事実関係を仮装したりすることで、税務調査が困難になることに対するペナルティーとして課税されることになります。このため、税金が課税されることになる、事実関係を隠ぺいしようとする、意思があったことが重要になります。
一方で、脱税行為は事実関係を隠ぺいしたりする意志ではなく、税金をごまかそうとする意思があるかが重要になります。
■脱税にはあたらないが、重加算税となる場合
この相違の具体例は、公務員がよくやる予算消化です。予算を消化しないと、来期の予算が減額されるために、公務員は経費を前倒しにするなどして消化するわけですが、これは経費となる事業年度を仮装したことになります。
不正取引に対するペナルティとして課税される「重加算税」の要件とは?
2017.03.10 20:00
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