事故車は修理した方がお得なのか、それとも売却してしまった方が良いのか。それについて語る前に、まずは以前にもお話ししました事故車の定義について改めてご説明します。単純に事故車と言ってしまうと「過去になんらかの事故を起こしたクルマ」と考えがちですが、自動車査定における事故車の定義は若干異なります。
現在一般に流通しているモノコックボディのクルマでの査定における「事故車および事故歴」というのは「骨格およびフレーム部に損傷があるもの」となっています。ドアなど交換可能なパーツが損傷を受けてもそれは事故車にはなりません。「落下物でルーフ(屋根)が大きく凹んだ」「過去に火災や重度の水没がある」といった場合は事故車となります。
似たような言葉として日本自動車査定協会(JAAI)が定義している「修復歴」というのがあります。これは上記の事故車に対して適切な交換・修理作業を行ったことを意味しており、いわゆるフレーム修正などがこれに該当します。なお、ここでの「適切な交換・修理作業」とはミリ単位での作業が完璧に行われていることをいいます。
変わった例としては「社外製の後付サンルーフ」のケースがあります。既存のルーフに穴を開ける訳ですから、重大な損傷事由となり修復歴と見なされます。もちろんその仕上がりの良し悪しも査定対象となります。
事故車の定義について詳しくは過去の記事を参照してください。
■事故車を修理する場合の手間と費用について photo by 朝日新聞デジタルさて、事故車および修復歴の定義からすれば、そのクルマはフレーム修正が必要なほどの大きなダメージを負っていることを意味します。フレーム修正は板金の中でもミリ単位での精度が求められる高度な技術と設備を必要とします。当然、技術料と作業時間に対する工賃は高額になり、100万円以上の請求も珍しくありません。多くの場合においてそのクルマの時価を超過してしまい、買い直した方が費用が安いという場合となりますし、例えそれだけの大金を出して修復したとしても、事故前の走行性能を取り戻せる保証はありません。