テリー しかし、あんなメジャーと、ロサンゼルスのドジャースタジアムでやれるなんて、野球人としては最高の栄誉じゃないですか。めったにできない経験ですよね。
権藤 そうですね。でも、やっぱりアメリカっていうのはすごい国ですよ。
テリー それは、どういうところが?
権藤 まず「負けたなァ」としみじみ思ったのは、パトカーの先導なんですよ。ふだんは昼頃に出発するので道は混んでいないんですが、10時から始まる練習のため8時にホテルを出たら渋滞だったんです。
テリー それをうまくさばいてくれたんですか。
権藤 ええ、4台の白バイとパトカーのみごとな連携でね。信号が赤でも、車を全部止めてバスを通してくれるんです。野球選手がVIP扱いだなんて、すごいなぁと思ってね。日本の首相の時だって、あそこまで徹底してやらないんじゃないかっていうぐらいでした。
テリー さすがは野球の本場だ、選手たちがしっかりとリスペクトされているんですね。
権藤 それだけに、球場に集まる観客の応援もすごいものでしたよ。特に、今回はアメリカの選手の目の色が違いましたからね。今までだとメジャーが出てきても二線級で、全然やる気もなくて、「さっさと負けてキャンプ地に戻りたい」って感じでしたけどね。
テリー 実際、2連続で決勝に進出したプエルトリコは、アメリカに大差で敗れましたものね。
権藤 日本に勝った時も、ものすごく喜んでいましたから、彼らは本当に必死だったんだなと思いましたね。「日本なんか、メジャーが行けば楽勝」くらいに思ってたんでしょうけど、こっちもがっぷり四つに組みましたし。