天才テリー伊藤対談「権藤博」(3)結果として面目は保てたと思います (2/2ページ)
テリー 負けたあと、メンバーたちとどんな話をしたんですか?
権藤 監督は「みんなと戦えて、最高の思い出になった。ありがとう」と感謝を述べていましたけど、みんな同じ気持ちじゃないですか。負けて悔しいのと、これだけ戦ったという満足感がないまぜになって‥‥そりゃあもう、強い相手でしたからね。
テリー いろいろ言われていますが、僕は小久保監督、ずいぶん頑張ったんじゃないかと思いますけど。
権藤 ええ、選手はもちろん、僕らコーチの意見もよく聞いてくれて、すごく気も遣ってくれました。紳士ですし、インテリジェンスがありますから、安心して任せられました。
テリー 権藤さんの野球人生においても、すごくいい時間を過ごされたんじゃないですか?
権藤 そうですね、しかし負けは負けですから、気持ちの中では複雑ですよ。喜んで帰ってくるわけにいかないですけど、まぁ面目は保てたかな、と。とりあえず日本で負けず、向こうで戦えたという点においてはね。
テリー あれ、日本で2位通過だったら、恐らく決勝まで行ってたんじゃないですかね。難しいところですけど。
権藤 ただね、終わってみると、(準決勝進出まで)全勝というのはプレッシャーがかかるけど、やはり気持ちのいいもんですよ。勝てるとも思わないけど、負けてもいかん、ずっとそんな気持ちでやっていましたから。
テリー いや、その気持ちがこもっていたからでしょう。観ていて実にスリリングな、いい試合でしたよ。