【日本人が知らないニッポン】陶器は宝石に勝る トーハクで『茶の湯展』開催中

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【日本人が知らないニッポン】陶器は宝石に勝る トーハクで『茶の湯展』開催中


現在、東京国立博物館で『茶の湯展』が開催されています。

これは、我が国日本が誇る歴史的な茶道具が勢揃いした一大特別展。学校の教科書に掲載されている品も展示され、連日多くの来場客を集めています。

日本史を語る上で、陶器の存在は欠かせません。そもそも陶器とはあくまでも「宝石の代用品」に過ぎず、近世以前の西洋人から見れば「土の塵」に過ぎないもの。道端の土が、なぜ宝物なのか。そういう指摘は、実際にありました。

ここで、今一度考察してみましょう。なぜ陶器は珍重されているのでしょうか?

・陶器は金銀と交換された

「日本人にとっての陶器は、我々にとっての貴金属や宝石と同等である」

そう書いたのは、16世紀の日本にやって来た宣教師ルイス・フロイス。長年日本の文化や風習に接してきたフロイスは、日本人の陶器に対する情熱をしっかり感じ取っていました。

ですが、それを理解することは最後までなかったようです。そもそも欧米諸国が海洋進出に乗り出した理由は、貴金属や宝石、香辛料などを他国から分捕るためです。「分捕る」というのは言い過ぎだという意見もあるかもしれませんが、スペイン人のフランシスコ・ピサロが南米インカ帝国の金細工を丸ごと略奪したことはよく知られています。

この当時の西洋人が日本に期待していたのは、金銀銅の産出です。とくに山陰地方にある石見銀山は、世界の銀相場を大きく変えるほどの産出量を誇りました。「黄金の国ジパング」の伝説はそれ以前にもありましたが、日本が鉱山に恵まれているということは真実だったのです。

ところが、当の日本人は金銀を最上位格の宝物とは見なしませんでした。

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