2017年5月、米研究チームが3Dプリンターで人工卵巣を作り、マウスに移植させて出産を成功させていたことが分かりました。(
参考)
今回の研究で、
妊娠に悩む女性にとってどのようなことが期待ができ、今後3Dプリンターは医学にどのように応用されていくのでしょうか?
最新研究を踏まえ、女性の卵巣や3Dプリンターによる医療事情などを医師に詳しく解説していただきました。
最新研究の解説
がんの治療として化学療法(抗がん剤治療)を受けたり、卵巣周辺に放射線治療を受けると、卵巣機能が低下し、女性ホルモンが出なくなり、早発閉経や不妊につながることが知られています。
若くしてがんになった女性患者さんにとっては深刻な問題です。
今までにも、以下が行われてきましたが、女性ホルモンが出ないという問題の解決にはならず、一度に取り出せる卵子の数にも限界がありました。
■ 体外受精
治療を受ける前に卵子を取り出して凍結保存しておき、後で精子とかけ合わせて受精させて子宮に戻す方法。
■ 卵子凍結
卵巣そのものを取り出して凍結しておき、後で卵子を取り出すという方法。
研究内容
将来の妊娠のために卵子を保存し、かつホルモンを出す機能も回復させる方法の開発のために、アメリカの研究チームは3Dプリンターを使ってスポンジ状の含水ゲルを作り、その中にマウスの卵胞を入れました。