税務調査対策に強いと宣伝する税理士の多くが、税務調査に協力すれば、早く調査を終わらせることができると解説しています。ここでいう税務調査に対する協力は、調査官が見たい資料を素早く提示すること、そして調査官の質問に嘘偽りなく迅速に回答することを意味しています。調査官が税務調査を円滑に行えるよう協力すれば、その見返りとして負担がかかる税務調査を調査官が早く終わってくれる、こんな解説がなされています。
■早くは終わらない
しかし、税務調査に協力しても、調査は早く終わりません。この理由として、調査官はあまり仕事をしないこと、税務調査に対しては国税の内部ではいろいろと決裁がありますので、処理が遅くなることが挙げられます。実際のところ、私が現在受けている税務調査では、二か月前に資料を提示したにもかかわらず、進捗状況について今まで何の連絡もなされていません。
自分が実施した税務調査の内容を二か月も検討できない、といったことは常識ではありえませんので、調査官は意図的に税務調査の進捗の連絡をしていないか、税務調査の決着をわざと先延ばしにしているか、のいずれかです。現職時代の経験を申し上げますと、決着させるとなると面倒な決裁が必要になりますので、敢えて先延ばしにする、といった実務が多く見られました。
■不正があれば協力しても長期化する
こういうわけで、調査に協力したとものの、早く税務調査が終わることはないのです。
とりわけ、不正取引がある納税者については、不正行為があるという裏付けの税務調査が更に必要になりますので、不正取引に反省をし、100%協力したとしても、調査はなかなか終わりません。
多くの税理士は自分が気づかなかったクライアントの不正取引が税務調査で発見された場合、反省の意味を込めて早急に修正申告したいと考えますが、裏付けの税務調査が終わらない限り修正申告の提出を待ってもらうというのが国税のルールです。このため、税務調査を早く終わらせたくても不正行為があれば早く終わることはありません。
「税務調査は協力的にすれば早く終わる」は国税のプロパガンダ
2017.06.23 19:00
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