6月8日、内閣府から2017年1〜3月期の国民経済計算(改定値)が発表になった。
◆実質GDP 対前期比プラス0.3%
◆名目GDP 対前期比マイナス0.3%
◆GDPデフレータ 対前期比マイナス0.5%
名目GDPとGDPデフレータが共に縮小する中、実質GDP(経済成長率)のみがプラス化した。一体、どういうことなのか。
国民はモノやサービスを「生産」するために働き、顧客に消費、投資として「支出」をしてもらうことで「所得」を得る。所得創出のプロセスにおいて、生産、支出、所得の三つは、必ずイコールになる。
そして、国内の「生産」の合計こそがGDP(国内総生産)だ。とはいえ、生産=支出=所得になるため、GDPとは実は国内の生産の合計であり、支出(あるいは需要)の合計であり、同時に所得の合計でもあるのだ。GDPが増えている国は「所得が増えている」というわけで、豊かになっていると判断して構わない。
生産面のGDP、支出面のGDP、分配(所得)面のGDP。三つの面から見たGDPは、すべて総額が同じになる。これを、GDP三面等価の原則と呼ぶ。
GDPは優れた統計だが、厄介な問題をいくつも抱えている。
まずは、金額で見た需要としてのGDP、つまりは名目GDPだ。名目GDPは金額で見るため、物価の影響を露骨に受ける。
例えば、筆者が講演というサービスを生産していると考える。筆者の講演料が1回当たり100万円(筆者の講演料は、実際にはそこまで高くないが)とする。1年間に10回、講演をした場合、1年間の筆者の講演サービスの「生産」、筆者の講演に対する「需要」、そして筆者が講演で稼いだ「所得」は、すべて1000万円となる。結果、日本の名目GDPが1000万円増えた。
この状況から、筆者の講演料が1回110万円に上昇した。講演回数は、以前と同じく年に10回。この場合、筆者の「生産」「需要」「所得」はすべて1100万円に増大するのである。名目GDP10%成長だ。
とはいえ、別に筆者の講演「サービスの生産量」が増えたわけではない。単に、講演料が値上がりしただけだ。すなわち、物価上昇である。
世の中おかしな事だらけ 三橋貴明の『マスコミに騙されるな!』 第227回 デフレ型経済成長
2017.06.29 14:00
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