【プロ野球】元4番に新4番。中田翔、筒香嘉智、中村剛也、鈴木誠也、ウィーラーの打順変更は吉? それとも凶?

元4番に新4番。中田翔、筒香嘉智、中村剛也、鈴木誠也

 7月8日の日本ハム対ソフトバンク戦(札幌ドーム)である事件が起こった。日本ハムの主砲・中田翔がプロ入り初めて1番打者として出場したのだ。

 栗山英樹監督の奇策だったが、今季は他チームでも長らく4番を務めてきた打者が4番を外されるという現象が見受けられる。

 不調時のリフレッシュだったり、チーム事情だったり、打順変更の理由は様々だが、功を奏しているのかはファンでなくとも気になるところ。

 今回は4番打者の「4番時の成績」と「ほかの打順時の成績」の比較、さらに今季途中から4番になった選手に関しても同様の比較をしてみたい。

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■悩める主砲・中田をさらに悩ます指揮官?

■中田翔(日本ハム)

4番:57試合/打率.232/9本塁打(本塁打率23.4)
3番:11試合/打率.186/2本塁打(本塁打率21.5)
1番:1試合/打率.000/0本塁打(本塁打率0.00)
(※本塁打率は1本打つために平均して何打席が必要かを示す指標)

 札幌ドームがひっくり返りそうなほどの衝撃が走った「1番・中田」だったが、6月10日の巨人戦(札幌ドーム)ではプロ入り初の3番も経験するなど、低迷する打線のなかで打順が前倒しされている中田。

 4打数3三振に終わったことで1番打者としての出場はもうないと思われるので、ここでは57試合に出場した4番時と、11試合に出場した3番時の成績を比べてみる。

 前述の3番として初出場した巨人戦で殊勲打を放ち、6月28日のソフトバンク戦(ヤフオク!ドーム)で3打点を挙げるなど、3番で結果を残しているかに見えるが、打率は.232から.186と落ちてしまっている。

 その理由を考えると、打順の特性に行き着く。3番の役割はランナーを還すことも求められるが、どちらかというとチャンスメイクする立場だ。

 対して4番は、出塁したランナーを還す立場。中田は高校時代から4番を務め、日本ハムでは栗山監督が就任してから700試合以上に渡って4番として出場。ずっと出塁したランナーを還す役割を担ってきた。

 それだけに、突然与えられた役割に戸惑っているようにも感じる。

 「3番・中田」は、ダントツで首位打者だった近藤健介を故障で欠き、打順の迫力が削がれた現状をリカバリーしようとする栗山監督の苦肉の策だとは思う。

 もちろん他との兼ね合いはあるが、WBCでは5番でいい仕事をしていただけに、中田の調子だけを考えるなら、5番に持っていったほうが好結果につながるのではないだろうか。

■3番・筒香は妙手か悪手か

■筒香嘉智(DeNA)
4番:67試合/打率.280/10本塁打(本塁打率23.6)
3番:8試合/打率.207/2本塁打(本塁打率14.5)

 昨季は4番でフル出場し、44本塁打で本塁打王を獲得。WBCでも4番に座り、「日本の4番」として君臨した筒香嘉智。しかし、開幕から不調が続き、6月30日の巨人戦(宇都宮)以降は3番での出場が続いている。

 打率を見ると.280から.207に落としているので3番に動かしたことは失敗に思える。しかし、本塁打率は23.6だったのが、3番になるや否や14.5に改善。

 また、3番になって四球も1試合につき1個のペースでもぎ取っているので、安打が出なくとも出塁でチームに貢献している(4番のときは3試合につき2個のペース)。

 ただ、うがった見方をすると、3番になる直前には10試合連続安打に3試合連続本塁打と調子を上げていたので、逆に勢いを削いだようにも……。

 とはいえチーム自体は波に乗っているので、ひとまずはよしとしよう。

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