世の中おかしな事だらけ 三橋貴明の『マスコミに騙されるな!』 第235回 仏マクロン大統領のグローバリズム

| 週刊実話

 2017年4、5月の大統領選挙において、反グローバル派が左右に分裂した結果(ルペン氏とメランション氏)、グローバル派が相変わらず政権を握っているフランスでは、マクロン大統領の支持率が早くも急落している。人気失速の背景には、緊縮財政の強行と、マクロン大統領の権威主義的な振る舞いがあるとされる。
 8月3日に仏メディアが伝えた世論調査では、マクロン大統領の支持率は何と36%。7月から7ポイント減り、不支持が49%で支持を上回った。意外だろうが、マクロン大統領の支持率は、就任から同時期の比較において、人気低迷に悩まされたオランド前大統領をも下回っている。

 マクロン大統領の「前進」は、6月18日の国民議会選挙で、議席数577のうち、350を獲得、過半数を得た。ところが、国民議会選挙後、閣僚の辞任が相次ぎ、さらに7月19日にはフランス軍制服組のトップであるドビリエ統合参謀総長までもが辞任。ドビリエ統合参謀総長はフランス政府の防衛予算の削減に抗議し、
 「現在の環境下では、フランスやフランス国民の保護に必要な防衛力をもはや保証できない」
 と、表明。
 国防予算のみならずマクロン政権は財政赤字対GDP比を3%以内に収めるべく、約45億ユーロ(約5900億円)の歳出削減を宣言した。公共事業、住宅補助など各種の削減に乗り出し、影響を受けるフランス国民の怒りを買っている。なぜ、フランス政府が緊縮財政路線を採っているのかといえば、グローバリズムの国際協定たるEU(欧州連合)の規定で、財政赤字は対GDP比3%に収めることになっているためだ。

 ちなみに、日本の緊縮財政の始まりとなった'97年11月の財政構造改革法においても、「国及び地方公共団体の財政赤字額をGDPの3%以内にすること」が定められていた(第四条)。なぜ、緊縮財政主義者は財政赤字の許容額を対GDP比「3%」に設定したがるのだろうか。理由がさっぱり分からない。
 それ以前に、財政赤字とはデフレや不景気のときに拡大し、インフレ率が高い時期は縮小するなど、機動的に変更するべきだ。特に、デフレという需要不足であるにも関わらず、財政赤字を対GDP比3%といった形で抑制されてしまうと、デフレ脱却に必要な有効需要の創出が果たせない。

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