平成27年度の国勢調査によれば、総人口における65歳以上の割合は25%を越え、4人に1人が老人という時代となった。そんな老人にとって終の棲家となりうるのが老人ホーム。しかし、そこでの生活は穏やかとは、なかなか言い難いもののようだ。
「最近『やすらぎの郷』なんていう老人ホームを舞台にしたテレビドラマがあったでしょ? あんな優雅な生活なんて、夢物語よ」 こう語るのは、介護福祉士として、いくつもの老人ホームに勤務してきたNさん。50代の女性だ。
■老人同士の喧嘩で大事故に
「入居するのに何千万円もかかるようなところから、公立の特別養護老人ホームまでいろいろな場所に勤務したけど、起こる問題はみんな似通っているの。年を取ってくると、今まで理性で隠していた本当の性格、心の地金が出てくるのよね。だから、男性同士の喧嘩なんか、しょっちゅう起こるのよ。それも原因は、お互い、すれ違うときに体が触れた触れないとか、食事が多い少ないとか、くだらないこと」(前同)
彼女によれば、老人同士の喧嘩は、かなり激しい殴り合いに発展することもしばしばあるという。「お互い、もう力の加減が分からなくなっているから、ときには大事故になっちゃう。殴られて転んで骨を折って、そのまま亡くなった方もいるけど、そのときは内々で、ただの転倒と言うことで処理したわ」(同)
■80代で結婚し、遺産問題で大騒ぎ
色恋沙汰も、よく起こるトラブルなのだそうだ。「人間、いくつになっても異性を求めてしまうんですねえ。70~80代同士の恋愛なんて、ざら。人気のあるお婆さんなんて、何人もの男性を引き連れていたり。美人じゃない、ただのお婆さんなんだけど(笑)。中には、お互い盛り上がってしまって、80代で、こっそり入籍。ご家族が遺産問題なんかで大騒ぎになってしまったこともあるのよ」(同)
恋愛問題があれば、こんな問題も当然ある。「お爺さんがお婆さんを部屋に連れ込むことなんて、しょっちゅう。ヘルパーさんの体を触ったり、押し倒したりする事件もよく起こります。現在、70~80代の男性が元気だった頃は、それほどセクハラも社会問題になっていなかったので、みんな平気で触ってきたり、“○万円でどう”なんて言う人もいたり。お婆さんの中には、入居者の男性相手にお小遣いを稼いでいる人もいましたね」(同)
日本人の平均寿命は、女性87.14歳、男性80.98歳(2016年調べ)。老人ホームの中は、入居者たちが心の“地金”をあらわにしているだけに、普通の社会以上に人間の欲望が渦巻いている。ドラマのような“やすらぎ”に満ちた老後を送るのは、なかなか難しいようだ。
終の棲家で何が…知られざる「老人ホームの闇」
2017.10.10 15:00
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