テムズ河畔にどっしりとたたずむロンドン塔は、世界遺産にも登録されているロンドンを代表する観光スポットのひとつ。
イギリスに留学した経験をもつ夏目漱石も「ロンドン塔は英国の歴史を煎じ詰めたものである」と書いたほど、イギリスとロンドンの歴史が詰まったスポットです。
「ロンドン塔」という名前から、タワーのようなものだと思われることもありますが、正式名称は「女王陛下の宮殿にして要塞」。さまざまな建物からなる複合建築物で、「塔」というよりは「城塞」といったほうがその実態に近いといえるでしょう。
1000年近い歴史をもつロンドン塔だけに、華やかな歴史の陰には背筋も凍るような血塗られた歴史が秘められています。
・世界遺産の城塞「ロンドン塔」
ロンドン塔の歴史は、1066年に即位したウィリアム征服王が、ロンドンを守るための要塞の建設を命じたことにはじまります。
1241年に、現在「ホワイト・タワー」と呼ばれている最初の塔が完成。
その後、歴代の王によって増改築が繰り返され、最初の塔はホワイト・タワーと呼ばれるようになり、「ロンドン塔」は城塞全体を指す名前となりました。
王の居城となったロンドン塔には、王立動物園や天文台、造幣所まで設けられ、15世紀後半からは牢獄や処刑場としても使われるようになります。王族のほか、ジェフリー・チョーサー、トマス・モアといった多くの著名人が投獄され、ここでその生涯を終えました。