土地や建物を個人が売った場合には、譲渡所得の対象になりますが、譲渡所得の計算上、譲渡収入から譲渡費用(譲渡に必要な費用)と譲渡資産の取得費(譲渡した資産の取得に要した金額)を控除することができます。このうち、取得費の計算は、譲渡した資産を買った金額から、購入してから売るまでにその資産を使ったことによる価値の減少金額を控除して計算することになります。この金額を減価の額などといいます。なお、使用しても価値が減少しないと考えられている土地については、減価の額を計算する必要はありません。
■減価の額の計算方法
この減価の額ですが、譲渡した資産を事業用に使ったのか否かで計算方法が異なります。具体的には、以下の通りです。
(1) 事業に使われていた場合
譲渡した資産を取得してから、実際に売るまでの毎年の減価償却費の合計額になります。
(2) 事業に使われていなかった場合
譲渡した資産の耐用年数の1.5倍の年数に対応する、旧定額法の償却率で求めた1年当たりの減価償却費相当額にその資産を取得してから実際に売るまでの経過年数を乗じて計算します。
このため、土地以外の資産を譲渡した場合には、このような計算を行って取得費を算定することになります。
■減価償却していない場合の対応
ところで、個人事業において、資産を事業の用に供している場合には、必ず減価償却を行わなければならないとされています。このような制度を強制償却と言いますが、強制償却であるにもかかわらず、確定申告において減価償却費の計算を行っていない事業者が散見されます。
このような事業者が、その減価償却費を計上していない資産を譲渡した場合、先の減価の額をどのように見るのか問題になる訳ですが、これについては実際に事業の経費としてない場合についても、その計上されるべきであった減価償却費分、取得費を小さくすることが求められています。すなわち、取得費の計算上は、経費にしているかに関係なく、減価償却費分取得費を小さくする必要があります。
不動産の譲渡所得から控除できる取得費の計算方法とその注意点を解説
2018.06.19 19:00
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