わが国は少子高齢化による生産年齢人口比率の低下により、経済成長の絶好の機会を得た。今後も深刻化する一方の人手不足、すなわち拡大するインフレギャップ(総需要>供給能力)を「生産性向上のための投資」で埋めたとき、国民が豊かになる形の経済成長を達成できる。
というわけで、日本政府がやるべきことは、
(1)中間層拡大政策に転じる。特に、逆累進性が高く、格差拡大型の消費税は増税凍結、もしくは減税する。
(2)生産性向上のための投資である「交通インフラの整備」及び将来の首都直下型地震、南海トラフ巨大地震に備えた耐震化投資の財政拡大を行う。
(3)国民の実質賃金を引き下げる移民受入は、むしろ制限を強化する。
この3つでいいのである。
ところが、大変残念なことに、2018年6月15日、安倍政権は、これらとは「真逆」である『骨太の方針2018』を閣議決定してしまった。
●2019年10月に、消費税率を予定通り10%に引き上げる。
●投資系支出まで制限するプライマリーバランス(基礎的財政収支、以下PB)の黒字化目標は、達成時期を2025年に先送りした上で残す。
●移民受入の新たな在留資格を作る。
見事に「逆」だ。結局、安倍政権は「財務省」に勝てず、同時に「安い人件費」を求める経済界(経団連の企業など)におもねる政権だった、という話だ。PB黒字化目標が残った以上、
「何らかの支出を増やす場合、別の支出を減らすか増税する」
という「考え方」が政府の予算の足を引っ張り続けることになる。
もっとも『骨太の方針2018』では、
『2019〜2021年度を「基盤強化期間(仮称)」と位置づけ、持続可能な経済財政の基盤固めを行う』
と、来年度からの3年間について「基盤強化期間」と名付け、「持続可能な経済財政の基盤固め」を行う期間として設定されている。「基盤強化期間」の定義がよく分からないが、要するに'19年10月の消費税増税による需要縮小、再デフレ化、景気後退に対し、財政拡大で対処するという話であろう。
世の中おかしな事だらけ 三橋貴明の『マスコミに騙されるな!』 第277回 骨太の方針2018
2018.07.04 14:00
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