9月20日に行われた自民党総裁選で、小泉進次郎議員(37)は、土壇場で石破茂氏に投票することを明らかにした。投票後、直前まで投票先を明らかにしなかった理由を記者から問われた進次郎氏は、「ネクストバッターボックスにいる自分にスポットライトが当たっては困るからだ」と答えている。
進次郎氏の作戦は、政局を乗り切るという意味では、実に見事だ。早期から石破支持を打ち出せば、完全につぶされる。しかし、投票直前であれば、その心配が少ない上に、「安倍総理とは違うんだ」というアピールが、より強くできる。さらに、自分がどれだけの影響力を持つのかを計ることもできるのだ。
実際、進次郎氏の石破支持表明によって、総裁選での議員票は、20票ほど石破氏へ流れたという見方もある。これは、総裁選に立候補するための推薦人集めに十分な数字だ。
進次郎氏が、「ネクストバッターボックス」と言っている以上、次はバッターボックスだ。私は3年後の自民党総裁選に進次郎氏が立候補する可能性は十分あるとみている。今から3年後、まだ40歳の進次郎氏が、日本の総理大臣になっているかもしれない。人気が高いため、小泉進次郎総理は爆発的な支持を生む可能性が高いだろう。
ただ、進次郎氏は、政局には強いが、政策には弱い。その典型が、進次郎氏が中心になって自民党若手議員がまとめた“こども保険”の創設構想だ。
こども保険とは、公的年金の保険料に0.1%上乗せして、3400億円の財源を確保し、未就学児童1人当たりに月5000円の児童手当を支給するという政策のこと。保険料の利率は段階的に引き上げられ、最終的には0.5%まで上がり、月2万5000円を支給するというのだ。子育て支援に対するニーズは高いため、この政策の国民受けはいいだろう。
しかし、こうした構想の背後に誰がいるのかを考えないといけない。元々、自民党内には教育国債を発行して、子育て支援をしようという構想はあった。ところが、進次郎氏は「教育国債は赤字国債と同じ」、「負担の先送り」と批判して、こども保険構想をぶち上げたのだ。
実際、公的年金の保険料率は、累進課税ではないため、所得にかかわらず一律だ。それどころか、月給62万円を超えた部分には、まったくかからない。
森永卓郎の「経済“千夜一夜"物語」★次の総理は小泉進次郎?
2018.10.12 06:00
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