’18年12月14日、東洋経済新報社からダグラス・マレーの『西洋の自死』が刊行になった。評論家の中野剛志氏が解説を書いている本書は、原題が「The Strange Death of Europe」である。つまりは「ヨーロッパの奇妙な死」だ。
本書はイギリスのジャーナリストのマレー氏が、移民流入により死につつある「ヨーロッパ文明」についてまとめた1冊になっている。本書は、冒頭からして衝撃的だ。
『(引用)欧州は自死を遂げつつある。少なくとも欧州の指導者たちは、自死することを決意した』
本書を読めば、マレー氏の嘆きが単なる煽りではなく、現実であることが理解できる。特に近年、膨大なイスラム教徒の移民が流入した結果、ヨーロッパは文明として死に向かいつつある。少なくとも、我々が認識する「欧州文明」の根幹や文化、伝統、ライフスタイル、さらに価値観は、明らかに喪失への道を歩んでいる。
元々、ヨーロッパ、特に西欧諸国は、第二次世界大戦後の高度成長期に、人手不足を補うために外国人労働者、つまりは移民を受け入れ始めた。
例えば、ドイツ(当時は西ドイツ)は1955年以降に極端な人手不足に陥り、労働力が必要になった。当初は南欧(イタリア、ギリシャ、スペインなど)から労働者を呼び寄せたのだが、1961年からはトルコ人労働者の流入も始まる。
トルコ人の労働者は男性単身で来独し、簡易宿舎や寮に寝泊まりし、工場や建設現場で働いた。彼らはゲストアルバイター(出稼ぎ労働者)と呼ばれ、1、2年間で入れ替わる「ローテーション制」とされていた。
ところが、外国人労働者を受け入れた企業側は、仕事を覚えた労働者を手放したくはなかった。さらに、外国人労働者側は、人間として当たり前の感覚として「家族」を呼び寄せようとする。
結果的に、外国人労働者がドイツに居残り、家族を呼び寄せ、集住化し、「国の中の国」が次々に作られていく。第二次世界大戦後にドイツが受け入れた外国移民の数は、5000万人を数え、現在は住民の8人に1人は外国生まれとなっている。ドイツは「経済界」の要望により、移民国家化したのだ。
世の中おかしな事だらけ 三橋貴明の『マスコミに騙されるな!』 ★第303回 ヨーロッパの奇妙な死
2019.01.15 06:30
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