男性の更年期障害の正式な病名は「LOH症候群」(加齢性腺機能低下症)。一般の認知度はまだ低いが、この治療を行っている小山太郎医師によると、1980年頃から欧米で注目されるようになり、2010年に著名な医学雑誌に症状や診断・治療方法などが掲載されたことで、日本の医療関係者にも広く知られるようになったという。
国内では、日本泌尿器科学会と日本Men'sHealth医学会によってこの病気の診断と治療に関するガイドラインが策定されており、現在はガイドラインに沿った診療が行われているそうだ。
LOH症候群の原因について小山医師はこう話す。
「男性の精巣では、生殖器官の発育やひげの成長、筋肉の維持といった、いわゆる“男らしさ”を促す物質が作られています。これは、『テストステロン』と呼ばれる男性ホルモンです。テストステロンの分泌量は思春期までは増えますが、それ以降は緩やかに減っていきます。つまり、テストステロンの減少は男性全員に共通した加齢に伴う現象なのですが、この物質の減少に伴って、心と体、性機能においてさまざまな症状が起こるのがLOH症候群です。テストステロンは加齢だけでなく、ストレスや睡眠不足、うつ状態、肥満、糖尿病などによっても減ってしまうことが分かっています」
起こり得る症状は、精神的なものと身体的なものがあり、前者としてはうつ状態や不安感の増大、意欲や集中力・記憶力の低下、不眠、イライラ、性欲減退など。後者としては体のだるさや勃起不全、筋肉や関節の痛み、筋力・骨密度の低下、ほてり、多汗、頭痛、めまい、耳鳴り、頻尿などが挙げられる。
女性の更年期障害に比べて発症年齢の個人差が大きいことも特徴だ。小山医師によれば、女性の更年期障害が50歳頃を中心とする閉経の前後10年間に起こるのに対し、男性の場合は30代で発症することもあるという。女性と同様に中心となる年齢層は40代から60代だが、若くして病気になる可能性があるということだ。
〈目からウロコの健康術〉 うつや不安、イライラが続く… 実は「男の更年期障害」かも
2019.03.07 12:00
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