前世の記憶がきっかけで?平安時代のやんごとなき姫君と冴えない衛士の駆け落ちエピソード【二】

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前世の記憶がきっかけで?平安時代のやんごとなき姫君と冴えない衛士の駆け落ちエピソード【二】

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前世の記憶がきっかけで?平安時代のやんごとなき姫君と冴えない衛士の駆け落ちエピソード【一】

今は昔、武蔵国から衛士(えじ)として京都に駆り出されてきた一人の男。

故郷が恋しいあまり、ぼんやりと「酒甕に浮かべた瓢(ひさご)が風に吹かれる光景」を思い出し、ブツブツと呟いていたところ、それを聞き留めた誰かが衛士に声をかけたのでした。

「その光景、前世で見たやも知れませぬ」

「もうし、そこな衛士や」

声の主は女性のもので、そのさやかな響きから、聴いただけでやんごとなき方のそれと判ります。

「へへぇ、何でやしょう」

日ごろそんな方と言葉を交わす機会などないため、ぎこちなく答えて衛士が振り向くと、そこには皇女(天皇陛下の娘)にあらせられる姫宮さまがおわしました。

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