先日、ムゲンエステート社の税務訴訟について、東京地裁において同社が敗訴したというニュースが報道されました。この税務訴訟は、マンション転売業者の消費税の取扱いが問題になったもので、国税が従来の見解を180度変えて課税に踏み切った事件であることから、税理士としても大きな注文が集められていました。控訴するかどうか、現時点では情報が入ってきていませんが、仮に控訴せず処分が確定すれば、実務において大きな影響があります。
■国税の見解の変更点とは
この事件で問題になったのは、以下の国税の見解の変更です。
1 従来の見解
マンション転売業者については、転売までに家賃を収入するかどうかに関係なく、転売という「最終目的」がある以上は、仕入れたマンションの消費税の全額を控除できる。
2 変更後の見解
マンション転売業者については、転売までに家賃を収入したのであれば、転売という最終目的に関係なく、家賃を収入したという「客観的な事実」があるため、仕入れたマンションの消費税の控除が制限される。
詳細は割愛しますが、要は「最終目的」と「客観的な事実」のどちらを優先させるか、という話になります。ただし、特に法律の改正もなく、従来は全額控除できたものが控除できないとされた訳で、納税者としてはとんでもないという話になります。
■見解変えても証拠にはならない
東京地裁は、このような見解の変更があっても、ただちに問題はないとして、国税の後出しじゃんけん的な課税を容認しています。この点、大きな批判はありますが、私個人の意見としては、従来の国税の見解が間違っていたものであり、変更後の見解が正しいと思っていますので、課税自体を問題にするのは難しいと考えています。結果として、申告を間違えたペナルティーにあたる加算税を課税しない、くらいの対応が一番自然かと思っています。
■弁護士や国税OB税理士が大々的に宣伝
私の見解とは異なり、税務に特化したとある弁護士や、国税OB税理士が、「国税が見解を変えるなどけしからん!」などといって、同じマンション転売業者に対して、国税の不当性を訴えるような話をよくしています。
ムゲンエステート事件の影響を元国税の税理士が個人的な見解を交えて解説
2020.02.12 19:00
|
相談LINE
ピックアップ PR
ランキング
総合
社会
1
高齢化で増える目の疾患、「地域眼科」に求められる早期発見と継続医療の役割
TREND NEWS CASTER
2
新品エアコン高騰で注目集める「中古」、猛暑と省エネ基準で問われる買い替えの判断軸
TREND NEWS CASTER
3
支援が届きにくい子どもと家族をどう支えるか、那須の「こどもホスピス」が挑む制度の狭間
TREND NEWS CASTER
4
医療現場の「見えない負担」を減らすには──人手不足の地域医療でAIが果たす役割
TREND NEWS CASTER
5
若者の「梅離れ」に挑む異業種出身社長の逆転発想――規格外梅は資源になるか?産地が直面する「価値再編」
TREND NEWS CASTER
6
工場の外へ広がる「自動化フロンティア」――滋賀の中堅FA企業が挑む”another FA”は普及するか
TREND NEWS CASTER
7
なぜ鼠径ヘルニア手術は「入院」が主流なのか――日帰り年500件超のクリニックの試み
TREND NEWS CASTER
8
地方医療は「治す」だけで維持できるのか、「点」から「面」への分かれ道
TREND NEWS CASTER
9
鎌倉大仏の背中に空いてる〝穴〟の正体 「背部スラスター」との珍説に3.5万人破顔も...真相は?高徳院に聞く
Jタウンネット
10
〝ちいさな夏〟が閉じ込められた風鈴が、ずらり 京都・正寿院の「風鈴まつり」の清涼感がたまらない【6/1~9/30】
Jタウンネット