海外の企業や外資系企業の日本法人など、今や外国人と一緒に働いていたり、過去に働いていたり、あるいはこれから働くという人は少なくない。そんな人にとって「英語」は商売道具どころか、「生活必需品」である。
ただ、言葉というのは生き物であり、時代や社会動向によって変化する。10年前は許されていた表現が、今は「差別的である」「セクハラやパワハラになる」といった理由で問題視されたり、敬遠されたりすることもたびたびだ。
これらは今欧米を中心に重視される「ポリティカルコレクトネス」の流れの中にある。
つまり、人種や性別、民族、宗教への差別に結びつく表現は問題視されやすく、敬遠される傾向があるということだ。
こうした、問題視されやすい英語をまとめ、解説した『あぶない英語』(岩田雅彦著、幻冬舎刊)によると、日本でも浸透している「ブラックリスト」という言葉も、今は英語圏で敬遠されつつあるという。
例をあげよう。「要注意人物」を指す「blacklist」だが、言葉そのものにネガティブな意味があり、しかもそれが黒人を想起させるため、今は「banned=追放された(人)」という言葉を使うことが増えている。
注意すべきは、「blacklist」の語源が実際に黒人に由来しているかどうかは関係がないという点だ。「特定の人種をイメージさせる」こと自体が、敬遠される理由になるのである。
そんなわけだから「blackmail(脅迫)」も、「black sheep(厄介者)」も、近年あまり使われず、それぞれ「extortion」「outcast」と言い換えられて使われることが増えている。
性別についても、特定の性別が入る表現は、今のご時世ちょっとまずい。
日本で「ビジネスマン」「キャリアウーマン」「スチュワーデス」という表現をあまり見かけなくなって久しいが、これは英語圏でのポリティカルコレクトネスの流れに呼応したものだといえる。