生命保険契約における死亡保険金の受取人を誰にするかによって、大きなトラブルを招く恐れがある。しかし、近年の民法改正によって受取人の選択のお陰で相続税の節税効果が期待できる状況になってきた。今回は死亡保険金の受取人と節税効果について触れてみたい。
■離婚時に忘れがちな生命保険金の受取人変更手続き
死亡保険金の受取人によるトラブルにおいて、筆者の経験上最も多かったのは、契約時に配偶者を受取人としていたが、様々な問題から離婚し、受取人を再婚後の配偶者に変更しないで放置していた結果、契約者が死亡後に離婚前の配偶者に保険金が支払われてしまい、本来貰えるはずであった人達に保険金が支払われなかったことだ。他には、配偶者のみを保険金の受取人としたために、公平性に欠けるとして裁判になったこともあった。だが、トラブルの殆どは事前に、若しくは契約時に受取人の確認をしておけば防げるものと考える。
■生命保険金の受取配分で変動する生命保険の非課税枠
次に相続税の節税についてだ。これは、相続税法第3条他に規定されている死亡保険金の非課税制度を利用することだ。具体的には「五百万円×法定相続人の数」となっているのだが、非課税限度額ではなく非課税枠とされていることに注意されたい。というのも、死亡保険金を法定相続人の誰が、幾ら支払われたかによって変動するからだ。
例えば、財産を有する人が亡くなり、その配偶者と子供が一人居たとする。死亡保険金の非課税枠は一千万円となる。そして、死亡保険金の総額は一億円として、配偶者が七千万円、子供が残額の三千万円の支払いを受けた場合、非課税枠は配偶者が七百万円、子供が三百万円となる。当然、配偶者のみ全額支払いを受ければ、非課税枠は配偶者のみ一千万円となる。
■配偶者には配偶者控除があるので子供を受取人するのが有効な節税対策!
では、節税効果は何かと言うと、配偶者には相続税の配偶者控除(相続税法第19条2項他)という制度がある。相続した財産の内、一億六千万円までの金額を相続税が課税されないとするものだ。当該制度の適用を受ける場合、死亡保険金の非課税枠の制度は適用できなくなる。そこで注目すべきは子供の存在なのだ。
生命保険金の受取人は配偶者と子供のどちらが節税対策になるか
2020.09.25 19:00
|
心に残る家族葬
ピックアップ PR
ランキング
総合
社会
1
人的資本開示、進んだはずが現場は「手作業」 上場企業の7割が直面する意外な壁
TREND NEWS CASTER
2
資材高と職人不足で揺れる住宅市場、地場工務店は生き残れるか
TREND NEWS CASTER
3
年間56万トンのアパレル廃棄と女性の副業ニーズをつなぐ、「Re:che」が挑む循環型ビジネスの持続性
TREND NEWS CASTER
4
猛暑でもファン付き作業服が使えない…「防爆エリア」の知られざる熱中症リスク
TREND NEWS CASTER
5
「西洋医学×漢方×手相」という異色アプローチ 標準治療では救いきれない患者と”科学的根拠”の境界線
TREND NEWS CASTER
6
「個人が変わっても組織が変わらない」のはなぜか? エグゼクティブ・コーチングの盲点を突く「社長+幹部一体型」の勝算
TREND NEWS CASTER
7
なぜビル清掃予算は「30〜55%」も消えるのか?多重下請け構造の限界 ――多重構造の無駄を省いた「科学的清掃」の勝算
TREND NEWS CASTER
8
「受診者が最大3倍に」150円の自己負担でも断る人が皆無だった理由 ――がん検診の「心理的ハードル」を下げる環境整備
TREND NEWS CASTER
9
なぜ都市部で「園庭を知らない子ども」が増えているのか? 私立保育所の7割が園庭なしの危機と、幼児教育が向き合う「体験格差」
TREND NEWS CASTER
10
なぜ「AI PC」はビジネス価値に転換しきれていないのか? ――クラウドの課題を克服し、ローカル処理が迫る「業務基盤の再設計」
TREND NEWS CASTER