令和2年度改正においては、連結納税制度が改組され、グループ通算制度という制度に切り替わりました。従来、連結納税制度が非常に複雑だったこともあり、それを簡便にしてほしいという国税の依頼もあって、仕組みが簡単になっています。
ただし、簡単になった反面、この制度は連結納税制度のメリットを大きく減少させています。
■親法人の欠損金
連結納税制度の大きなメリットとは、連結親法人の欠損金にあるといわれています。連結の頂点にいる法人を連結親法人と言いますが、その連結親法人は、連結をスタートする前の欠損金(過去の赤字)を連結納税に持ち込むことができました。他の法人は、連結納税に入る前に、原則として欠損金を切り捨てる必要があります。
結果として、親法人に使いきれないくらい多額の欠損金があれば、その欠損金を連結納税に持ち込むことで大きな節税になる場合があります。というのも、連結納税はグループ全体の所得に対して課税されるため、他の連結法人の所得と、連結親法人の欠損金を相殺することが出来るからです。
■グループ通算制度は
しかし、グループ通算制度はこの取扱いが見直され、親法人の欠損金の持込みに大きな制限がかかります。具体的には、持ち込むことはいいものの、持ち込んだ欠損金を他の法人のために使うことができず、親法人の所得とだけ相殺できるという仕組みに変わります。このため、節税効果が大きく下がると見込まれます。
■軽減税率などにも制限が
その他、法人税においては中小法人に対してさまざまな優遇措置があります。連結納税においては、中小法人に該当するかの判断は原則連結親法人の資本金などによっていましたので、連結親法人が中小法人で他の連結法人が大法人といった場合にも、中小法人の特例を使うことができ、節税が出来ました。
しかし、グループ通算制度はこの制度に参加するすべての法人が中小法人でないと、中小法人の特例を原則として使えないとしています。
■税収増加が見込まれている
実際のところ、グループ通算制度については、連結納税に比して、平年ベースで税収の増加が見込まれています。
連結納税制度あらためグループ通算制度は何がどう変わったか
2020.11.17 19:00
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