世界初、常温でダイヤモンドを生成することに成功(オーストラリア研究)
2020.11.25 09:00
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カラパイア
常温でダイヤモンドを生成/iStock
ダイヤモンドの永遠の輝きは、地球の奥深くに眠る炭素が、巨大な圧力と1000度を超える熱を受けながら数十億年という時間をかけて結晶化することで生まれる。
だが地上では、科学者が悠久の時間を無視して、実験室でわずか数分、しかも常温でとても希少な輝きを作ることに成功してしまったようだ。
こうして作られたダイヤモンドはその性質を活かして、どんな硬いものでも切断するツールや絶対に傷がつかない保護コーティングなどに利用できるという。
・史上初、常温で生成したダイヤモンド「ロンズデーライト」
この快挙を成し遂げたのは、オーストラリア国立大学とRMIT大学の研究グループだ。
同グループは、「ダイヤモンド・アンビル・セル(DAC)」という高圧をくわえられる装置を利用し、バレエのトウシューズの爪先ほどの範囲にアフリカゾウ640頭分に匹敵する圧力をかけ、そこにさらに一捻りをくわえた。
「秘密は圧力のかけ方にあります」と、オーストラリア国立大学のジョディ・ブラッドビー教授は語る。
同教授によると、圧力をかけると同時に、スライドするような「せん断」という力をくわえたのだという。こうすることで炭素原子がまとまって、史上初めて常温でダイヤモンドや「ロンズデーライト」を生成することに成功した。