「盛り上がらないリモート会議」が炙り出す日本の会社の問題点

| 新刊JP
中谷彰宏氏(写真左)と池田朋弘氏(写真右)

新型コロナウイルスの流行で、テレワークを導入する企業が増えた2020年。その便利さや働きやすさを享受する人がいる一方で、これまでは感じなかった不便さに気づく人もいるはずだ。

その一つが「コミュニケーション」だ。これまで当たり前にできていた雑談ができなくなったり、慣れないリモート会議のテンポに戸惑ったりと、コミュニケーションの問題を乗り越えられるかが、個人にとっても企業にとっても、テレワークを実りあるものにするカギかもしれない。

『テレワーク環境でも成果を出す チームコミュニケーションの教科書』(池田朋弘著、マイナビ出版刊)はこの点に注目。テレワークのコミュニケーションにまつわるトラブルやその対処法、テレワークならではのコミュニケーションの方法などを、事例を交えて解説していく。

今回は著者の池田朋弘さんと、コミュニケーションや仕事術に関する多くの著作を持つ作家の中谷彰宏さんによる対談が実現。テレワーク時代のコミュニケーション、信頼関係、働き方など広く語っていただいた。

■リモート会議で「ミュート」をする人々

編:『テレワーク環境でも成果を出す チームコミュニケーションの教科書』は、テレワーク導入のバイブル的な一冊ですが、現行のテレワークへの問題提起もなされています。まず池田さんが今回の本をお書きになったきっかけについてお話をうかがえればと思います。

池田:2015年くらいのことなのですが、経営している会社の都合でテレワークを導入しまして、その中で、もちろんテレワークの良さもわかった反面、従業員数十人に加えて、数千人の在宅ワーカーとオンライン前提のコミュニケーションをする難しさもよくわかりました。

テレワーク自体は今回のコロナの前から、オリンピックを境に増えると言われていました。その時にIT環境や社内制度などのハード面は整備できても、コミュニケーションという「ソフト面」で苦労する会社が出てくることはわかっていましたから、そこで自分がやってきたコミュニケーション面での試行錯誤を伝えられたらいいなと思っていたのですが、思いがけずこういう事態になってしまった、という感じです。

ピックアップ PR 
ランキング
総合
カルチャー