「盛り上がらないリモート会議」が炙り出す日本の会社の問題点 (2/3ページ)

新刊JP

編:コロナ禍もあって、今年はテレワークが一気に普及した一年でした。中谷さんは講演やセミナーなどをされていますが、テレワーク化した部分はありますか?

中谷:講演はテレワークになりましたね。パンデミックが落ち着いた後も、すべてリアルには戻らなくて、状況によってテレワークとリアルを使い分ける「ハイブリッド」になります。

今回のコロナ禍で、これまでなんとなく誤魔化してきた問題点があぶり出された感じです。池田さんはコロナのずっと前からテレワークを導入していたと言っていましたが、いくら「働き方改革」を叫んでも、結局は出社主義・机主義・残業主義から抜け出せなかったのです。

海外ではもうとっくにテレワークは普及していたわけで、日本はコロナという「外圧」に後押ししてもらって少し変わることができた。ペリーが来た頃から、日本は外圧にうまく乗るのが上手です。今回のコロナという外圧をうまく使えた会社は生き残っていきます。

池田:テレワークにするなかで、違和感を持ったところはありますか?

中谷:最近打ち合わせで「ミュート」する人が増えました。多くの会社で発言者以外はマイクをオフにしているのが気になっています。それだとどうしても活発なコミュニケーションにならなくて、トランシーバーで話しているみたいになってしまう。もっとすごいところはマイクオフだけではなくて、映像もオフになっています。

池田:それだと完全にコミュニケーションが一方向になってしまいますよね。主要な参加者以外は動画の記録を見てもらう形でもよさそうです。

中谷:単なる「報告」ならば、わざわざ会議を開く必要はなくて、書面を回してみんなに読んでもらった方が効率的です。それでもリモート会議をしているケースもあります。しかも、クリエイティブを売りにしている会社で結構見かける。でもそれって、テレワークになる前からその会社の会議はそうだったということなんです。テレワークが何かを変えたわけではないので。

池田:対面だった時は会議を黙ったままやりすごせていたかもしれませんが、リモート会議だと黙っている人が目立ってしまいます。

「「盛り上がらないリモート会議」が炙り出す日本の会社の問題点」のページです。デイリーニュースオンラインは、カルチャーなどの最新ニュースを毎日配信しています。
ページの先頭へ戻る