「盛り上がらないリモート会議」が炙り出す日本の会社の問題点 (3/3ページ)

新刊JP

でもそれってテレワークの問題ではなくて、もともと発言しないのに会議に参加していたことに問題があるわけですものね。

中谷:リモート会議で活気が出ないのではなくて、もともとその会社の会議は活気がなかったんです。

リモート会議はリアルよりも瞬発力が必要です。瞬間瞬間でパッと発言できないと、結局発言できないまま終わってしまいやすい。「ここで何も言えなかったら次から呼んでもらえない」っていうひな壇芸人の覚悟でやるべきです。

池田:リモート会議って10人参加しても、発言できるのは1人だけですから、自分が話せる時間はすごく限られてしまいますよね。ただ、メインは会話でも、サイドでチャットを使ってやり取りして、内容を補足したり、発言するタイミングを掴めなかった人が自分の意見を書き込むことで、それまで出ていなかった意見が出たりすることもある。工夫次第でいくらでも有益なものにできるのがリモート会議なんです。

中谷:会話の活気というと、リモート会議こそ表情やリアクションが大事です。講演をしていると、生徒は2通りに分かれるんです。こちらの話を前のめりになって聞く人と、そのままの姿勢の人。でも、それがリモートになると3通りになって、「一歩引く人」が出てきたんです。これは「テレビを見ている感覚」になってしまっているんでしょう。自分も相手から見られているという感覚が希薄になっている。

池田:本にも書いたのですが、リモート会議こそ意識してうなずきを入れたり、表情で相手の話に興味があることを示す必要がありますよね。

中谷:聞き手側の反応と自分の話が連動しないと話しにくいです。講演をリモートですると、自分の方のモニターに受講者が一斉に映りますが、聞いてくれている人とそうでない人はすぐわかります。テンションが下がるから聞いてくれている人だけ見て話しています。

池田:わかります。リモート会議をしていると、不自然に表情が硬い人がいるんですよね。これはたぶん、会議に参加しながらメールを返信したり「内職」しているんだと思いますが、こっちはおもしろい話をしているつもりなのにまったく反応がないから悲しくなったりすることがあります(笑)。

(後編につづく)

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