稀に見る「ガードの固い才女」だった小野小町
日本では、小野小町(おののこまち)と言えば、クレオパトラ、楊貴妃と並ぶ「世界三大美女」の一人とされています。
しかし、彼女は平安時代の前期に活躍した女流歌人ということ以外に、詳しいことははっきり分かっていません。生没年や父母、経歴すべてが諸説ある謎の女性です。
むしろそんなミステリアスな女性だからこそ、後世にさまざまな「小野小町伝説」が残っているのかも知れません。
詳細不明とはいえ、小野小町の容姿がことのほか優れていたのは確かなようです。『古今和歌集』によると「小野小町は、いにしえの衣通姫の流れである。あわれなようで、弱々しい。まるで、よき女が病んでいるようだ」とあり、当時からすでに絶世の美人といわれ、都の貴公子たちの憧れの的でした。
また『草子洗小町』では、「幸運にも小町と目を合わせることができた男どもは、たちまち呆けたようになって発熱し、ぶらぶら病になる者が少なくなかった」とあります。
彼女のことを書いた作品で最も有名なのは、『通小町』でしょう。