医者のはなしがよくわかる“診察室のツボ”<栄養型うつ>腸内環境を整えて「うつぬけ食事」を

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医者のはなしがよくわかる“診察室のツボ”<栄養型うつ>腸内環境を整えて「うつぬけ食事」を

 うつ病患者が増えているという。季節の変わり目という要因だけでなく、コロナ禍も手伝い、リモートワークや外出自粛できちんと食事を摂らなかったり、軽食ですませている人は「栄養型うつ」になる可能性が高いからだ。

 これは栄養の摂取不足や吸収不良などの問題で、心や体に不調が起きる症状。特に疲労やストレスが蓄積されていると、たんぱく質とビタミンB群の消費量が増えるといわれている。

 近年は、うつと栄養の関係性が指摘されるようになり、栄養面から症状を改善しようという「うつぬけ食事」が注目されている。ベストセラー「うつ消しごはん」(方丈社)の著者である精神科医の藤川徳美氏によると、1日に卵3個と肉200グラムが「うつ消しごはん」の基本だという。特に卵はビタミンやミネラルなどの栄養素も豊富に含むため、「完全栄養食品」と言える。

 さらに、うつの原因であるストレスは、腸内環境を整えることで低減するとも言われている。そのため、乳酸菌やビフィズス菌、オリゴ糖、食物繊維などを含んだ食材を積極的に摂取することもおすすめだ。

 国立精神・神経医療研究センターによると、

「緑茶を1日4杯以上飲む人は、1杯以下の人よりもうつ病リスクが半分になる」

 という結果が出ている。これは緑茶に含まれるカテキンやテアニンによる免疫力が影響していると考えられる。

 注意してほしいのは、糖質の摂りすぎだ。血糖値が乱高下し、不安やイライラが生じやすくなる傾向がある。炭水化物やお菓子などに偏った食事をしている人は気をつけてほしい。

 糖質過多を控え、ヨーグルトや緑茶を添えたバランスの取れた食生活が、栄養型うつ解消の近道かもしれない。

田幸和歌子(たこう・わかこ):医療ライター、1973年、長野県生まれ。出版社、広告制作会社を経てフリーに。夕刊フジなどで健康・医療関係の取材・執筆を行うほか、エンタメ系記事の執筆も多数。主な著書に「大切なことはみんな朝ドラが教えてくれた」(太田出版)など。

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