消費税は、(1)事業者が(2)事業として、(3)対価を得て行う(4)資産の譲渡、貸付け又は役務の提供に対して課税されると法律で規定されています。実務上、最も問題になるのはこの(3)の要件で、いわゆる対価性のある取引が課税の対象になります。
対価性がある取引、ということは見返りがある取引を言います。このため、見返りがない取引は課税の対象にはならないのですが、その典型例の一つに損害賠償金があります。損害賠償金は自身の不手際により損害を与えた場合に発生するもので、何か見返りがあって支払うものではないことから、対価性がなく、消費税の対象にはなりません。
■遅延損害金はどうなる?
損害賠償金と近いものに、遅延損害金があります。これは、金銭消費貸借契約を結んだ場合、期日までに返済ができないと発生するものです。期日までに返済ができないことのペナルティーの一環ですので、先の損害賠償金と性格は似ています。
こうなると、対価性がないので消費税が課税されない、と考えてしまう訳ですが、実際のところはそうではありません。正しくは、遅延損害金も利息の一つなので、消費税が課税されないということになります。
消費税は、金利には課税されません。金利はお金を貸したことに対する対価ですから、対価性はありますので、本来は消費税の対象になります。しかし、金利には消費税を課税すべきではない、という政策的な目的があり、消費税法で別途消費税を非課税にするという取扱いが設けられています。
結果として、遅延損害金は消費税の非課税取引であるため消費税が課税されない、ということになるのです。
■テナント賃料の滞納に係る遅延損害金は?
ところで、同じ遅延損害金でも、テナントの賃料に係る遅延損害金は少し事情が違います。テナントの賃料を滞納したため、割増しで遅延損害金を要求されることがありますが、先の金銭消費貸借契約の遅延損害金の理屈から言えば、この遅延損害金はテナントの賃料の一つとなります。
この場合の遅延損害金ですが、テナントの賃料は消費税が課税されますので、それと同様に消費税が課税されることになります。
テナントの賃料の遅延損害金の消費税について税理士が解説
2021.04.20 19:00
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