住宅を借りた場合に支払う家賃は、翌月分を当月末に支払うなど、前払いの契約であることが原則です。このため、法人税では、不動産オーナーの申告に際し、当月分に支払いを受ける賃料は当月の収益ではないとして、前受収益として翌月に収益計上することが原則になっています。このような考え方を発生主義といい、簡単に言えば収益計上する原因が発生した年度に収益計上する、という考え方を言います。
■所得税では支払期日が原則とあるが
一方で、所得税の通達をみると、不動産の賃貸借契約により支払いを受ける賃料は、支払期日に収益計上するとあります。このため、翌月分の賃料を当月末に受けても、当月末の収益とすることが原則となります。
しかし、これにも例外があり、適正な記帳を行うという青色申告者で、複式簿記により適宜帳簿を記帳していれば、翌月分の賃料でも前受処理することができる、とされています。
このため、少なくとも会計の専門家である税理士が関与する法人や個人事業者については、原則として上記のようなケースでは前受賃料として処理をしています。
■相続税の取扱い
しかし、相続税においては多少取扱いが異なりますので注意が必要です。
前受処理をするということは、被相続人の財産ではなく、賃借人に返還すべき債務である、ということになります。相続税においては、被相続人の債務は原則として相続財産から控除できるとする債務控除という取扱いがありますので、前受家賃を債務控除できるかが問題になります。
しかし、このような前受家賃については。原則として債務控除の対象にならないとされます。このため、前受した家賃がそのまま相続税の課税対象になる、ということになります。
相続税においては、前受家賃について、被相続人が死亡した日において「支払期日」が到来しているか否かで判断します。このため、死亡日時点でまだ支払期日が到来していれば、原則として前受家賃は相続税の課税対象になります。なお、これは所得税の取扱いを問わないとされています。
税理士の考え方からすれば、当然に債務控除の対象になるため、相続税の申告で間違いが多く見られます。
家賃の収益計上は所得税と相続税ではどう異なる?注意点を税理士が解説!
2021.04.22 19:00
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