マスターズ初挑戦から苦節10年、松山英樹がついに偉業を成し遂げた。グリーンジャケットに袖を通した勇姿を同学年の石川遼はどんな思いで見つめていたのか。ハニカミ旋風から14年、両者の立場は完全に逆転した。日本のゴルフ界を牽引してきた2人の天才の〝落差〟が生じた分岐点を深掘り調査する。
「世界の日本人ゴルファーに対する見方が変わってきますよ」
アジア勢初の「マスターズ」優勝を果たした松山英樹(29)の偉業を興奮気味に語るのは、ゴルフジャーナリストの宮崎紘一氏だ。
「強烈なインパクトを残したのは、3日目の15番ホールで決めたイーグルでしょう。2打目で、5番アイアンを少しカット気味に打ってツーオンに成功。