来日しているスタッフの中には観光気分の人もいるようだが、驚くことに外出する選手の目撃情報もあった。選手村の警備を担当する警察官が耳打ちする。
「周囲の警備にあたる警察官は全国から派遣されてきて、開会式後にはもっと増える予定です。そんな状況を知ってか知らずか、徒歩でコンビニに行ったり、タクシーで出て行く選手を見かけますよ」
ほとんどの選手は練習や競技以外での外出禁止令を守っているが、こっそり選手村を抜け出す選手もいるのが現状だ。付近にいたタクシー運転手が証言する。
「ここ1カ月で外国人のお客様は非常に増えましたね。選手村や大会関係者が宿泊するホテル付近は五輪のTシャツを着ていたり、IDを下げたままの人もいるので、すぐにわかりますよ」
一部の例外を除き、専用車での移動が義務づけられているが、現実の五輪宿舎は外出し放題の治外法権のようだ。
取材中にも続々と五輪関係者を乗せたバスが選手村に入っていく。交通整理をしている警備員に話を聞くと、こう説明してくれた。