知られざる「古墳」の歴史
皆さんは、もちろん「古墳」はご存じですね。
古墳とは、古代日本の各地で造られた豪族のお墓です。ヤマト政権が日本統一に向けてその支配域を拡げていった四世紀から六世紀にかけて、各地で建造されるようになりました。いわば日本のピラミッドで、各地域の豪族の権力の象徴です。
もともと古墳は、水田経営を積極的に進めた豪族たちが、自らの開発地域を一望できる場所に墓所を造営したことが始まりとみられています。
そして豪族の力がますます高まると「首長霊信仰」が生まれました。
豪族を率いる首長は神に守られており、彼が死ぬと「首長霊」の一員となって次の首長を守るとされます。
よって新たな首長は、前の首長(神)を祀るのにふさわしい墓を造る必要がありました。そうして造られたのが古墳です。その建造には、当時の最高の土木技術が使われていました。
日本史全体から見れば、古墳が多く造られた「古墳時代」は決して長いものではありません。しかし、そこにもちょっとした歴史があります。古墳の形、大きさ、作り方、作る時の道具……。それぞれが時代ごとに移り変わりを見せているのです。
そしてそれらは、当時の国際情勢や、ヤマト政権の勢力拡大の推移とも無関係ではありません。
この記事では、そんな古墳の歴史を簡単にたどってみたいと思います。