海外の情報機関が放つ工作員の手から国家機密を守るべき人間が、そのスパイと密通していたら当然、その国家は危機に陥る─。そんな映画のような事態が我が国で起きている。国防をつかさどる自衛隊、中でも「情報のプロ」とされる部隊が標的にされたのだ。
公安関係者がそんなことを明かしたのは、8月末のことだ。自衛隊トップの山崎幸二統合幕僚長が新型コロナウイルスの濃厚接触者と認定されたことが発覚した直後であった。しかも、米軍が撤退を表明したことで政権が転覆し、混乱するアフガニスタンから邦人を退避させる活動の真っ最中。その活動も救出できたのは1人だけという大失敗に終わり、「こんな時にまたか‥‥」と自衛隊の体たらくぶりに批判の声が上がる中でのことだった。