自衛隊「スパイハンター」が中国に「籠絡」された(1)「こんな時にまたか…」 (2/3ページ)
自衛隊の「スパイ部隊」といえば、防衛大臣直轄の情報機関たる「自衛隊情報保全隊」(以下、情報保全隊)のことだが、こちらの評判も芳しくない。
同隊は09年、自衛隊員らによる相次ぐ情報漏洩事件を踏まえて情報保全の強化を目的に、それまで陸海空の各自衛隊に分散されていた組織を統合して編成された専門の部隊である。にもかかわらず、世間では「市民のプライバシーを侵害する組織」といったイメージが強いのだ。今年6月、土地規制法の制定に絡んだ国会審議の場でも、同様の指摘がなされた。
同法は自衛隊基地や原子力発電所の周囲、国境近くの離島など、政府が安全保障の観点から重要だと判断したエリアの土地や建物の利用状況や持ち主を調査することを可能にするもの。審議の場では、数々の問題が指摘されたが、国会閉会直前に野党の反対を押し切って成立した。
中でも問題視されたのは、自衛隊基地周辺などで市民への監視が強まるのではないかという点だった。情報保全隊が市民を監視していたことが発覚、裁判沙汰となり、国が賠償命令を受けた過去の事例を取り上げ、野党議員が猛烈に抗議したのは記憶に新しい。