話をニセ札に戻そう。
本物と見まごう精巧な紙幣を作るには手間がかかると思うが、全てがそうではないと劉氏が明かす。
「面倒な時、逮捕されてもいいような同胞を使う時には、磁気テープを貼りつけただけのニセ札を使います。見れば一発でニセモノとわかるものなのですが、大きな駅の自動券売機は緩いからすぐに通りますよ。実際に換金できていますから」
にわかには信じがたいが、粗悪なニセ札でも面白いようにカタカタと飲み込まれ、釣りとして本物の札が出てくるという。
日本人の協力者の存在を含め、これが裏の社会のシステムになっているようだが、吉田老人との関係について問うと、その仕組みがより鮮明になった。
「そうねぇ、もう20年ほどになるかなぁ。