先日、税務署を監督する会計検査院の調査により、個人事業主の倒産防止共済について以下のミスが多くあることが判明したと報道されました。
1 返戻金の収益計上がなされていないというミス
2 必要な明細書の添付がなされていないというミス
倒産防止共済とは、取引先事業者の倒産に伴う経営リスクをヘッジするため、その加入者に対し、無担保・無保証人で掛金の最高10倍まで借入れができる、という共済制度です。この共済ですが、その掛金については、原則として支払時点において前納分も含めて経費にすることができる(年間240万円、最高800万円まで)、という税務上の特典が認められており、中小企業や個人事業主の代表的な節税となっています。
■倒産防止共済のミス1
話を戻しますが、上記1のミスについて捕捉しますと、倒産防止共済は掛金を経費として認める反面、それを解約等した場合に返戻される返戻金については、全額収益計上する必要があるとされています。おそらくですが、倒産防止共済の掛金を支払ったタイミングと、実際に解約等して返戻金が入金されるまでのタイムラグが大きいため、収益計上する処理を失念した、ということだと思われます。
言い換えれば、倒産防止共済は節税になる反面、その返戻金に対し、返戻時に退職金を支給する、といった出口戦略も必要になるということです。
■倒産防止共済のミス2
次の、上記2のミスについてですが、倒産防止共済の掛金は経費になる要件として、所定の明細書を申告書に添付しなければならないとされており、その明細書の添付がない申告書が多かった、ということだと考えられます。困ったことに、所定の明細書といいながら、最近まで所得税の申告書で添付すべき様式を国税庁は用意しておらず、適宜自分たちで所定の事項を書いた書類を作って提出するように指導していました。このため、個人事業主の申告で添付を忘れることが多かったように思います。
今は様式もできていますので、今後失念することは多くないでしょうが、倒産防止共済の掛金は手続きに厳しいですから、書類の添付もれがないよう、注意してください。
節税策として有効利用されている倒産防止共済の否認事例を元国税が解説
2021.10.26 19:00
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