課税関係が優遇されていると言われる上場株式の配当ですが、その有利とされる課税関係の一つに、申告不要制度が挙げられます。これは文字通り確定申告する必要がない、という制度を意味します。上場株式の配当は、15.315%の税率による所得税及び復興特別所得税の源泉徴収が行われるとともに、他に地方税が5%天引きされますが、それだけで課税関係で終了し、確定申告しないという制度を原則として選択できることとされているのです。
所得税は累進課税制度ですので、所得が大きければ大きいほど高い税率で税金を取られます。申告不要制度を使えば、その高い税率を適用せずに所得税の計算ができる訳ですから、高い所得のある方は、申告不要を選択することで本来適用されるべき高い税率が適用されず節税になる、ということになる訳です。
■申告不要の対象になる配当
申告不要の対象になる上場株式の配当ですが、大口株主が受ける配当は除かれるとされています。この大口株主ですが、発行済株式総数の3%以上保有の大口個人株主を意味するとされます。この株主が受ける配当金は申告不要を受けることが出来ず、総合課税で課税されることとされています。
上場企業の株式を1社あたり3%以上保有する方は多くないと考えられますが、例えば創業者などはこれに該当する場合も多いため、取扱いには注意が必要です。
■個人株主が対象であるため
一方で、この大口株主は個人株主ですから、法人を使って間接的に上場株式を持っている場合にはこの対象にはなりません。こういうことや相続税対策の考えもあってか、上場会社の創業者の一族の方は自身の会社の株式を保有する資産管理会社を作り、その資産管理会社で株式を管理していることが多くあります。
■会計検査院が問題視している
このような資産管理会社のスキームはよく行われている訳ですが、先日報道されたこととして、税務署を監督する会計検査院がこの事態を問題視しているということです。会計検査院の指摘は税制改正にも影響を及ぼすので、このスキームについて、例えば資産管理会社が持っている株式も含めて大口株主を判断すると言った、税制改正が行われる可能性もあります。
資産管理会社を用いて上場株式の管理をするスキームを会計検査院が問題視
2021.11.26 19:00
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