さねさし 相武(さがむ)の小野に 燃ゆる火の
火中(ほなか)に立ちて 問ひし君はも【意訳】かつて燃え盛る炎の中で、私の身を案じて声をかけてくれたあなたの愛情を、私は決して忘れません。
そう言って荒れ狂う海に身を投げ(自ら生贄として命を捧げ)、愛する倭建命(ヤマトタケルノミコト。日本武尊)の危機を救った弟橘比売命(オトタチバナヒメノミコト。弟橘媛)。
二人の愛情物語は悠久の歳月を経てもなお色褪せず、人々を惹きつけてやみませんが、そのお話しは又の機会に。
今回のテーマは「さねさし」。日本語らしいやわらかくやさしい響きがいい感じですが、これは一体どういう意味なんでしょうか。
調べてみると、相模国(現:神奈川県の大部分)にかかる枕詞(まくらことば。特定の単語につけてセットにするお約束フレーズ)とのこと。
なので相武国(さがむ。