和歌を楽しむ豆知識:相模国にかかる枕詞「さねさし」ってどういう意味なの? (3/3ページ)

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あるいは当時の人々はそこまで厳密に考えておらず、旧佐斯国に該当する地域はみんな「さねさし」を枕詞としていた可能性も考えられます。

終わりに

他にも「さねさし」の語源は色々あるのだとか。

敵に火を放たれるも、迎え火で返り討ちにした倭建命。冒頭の和歌はこのエピソードに基づく。歌川国芳筆

さ(接頭語)+ね(根)+さし(焼き畑)
⇒草がびっしり生い茂っており、焼き畑で土地を開拓したため。

さ(接頭語)+ね(嶺)+さし(せまい、そびえたつ、けわしい)
⇒険しい峰々が所狭しとそびえ立つ地であるため。

さね(実に)+さし(誉め言葉)
⇒さし、を国名でなく誉め言葉と解釈。

……などなど。未だに決着を見ていない「さねさし」の語源。皆さんは、どれがしっくり来ましたか?

弟橘比売命のほかにも「さねさし」と詠んでいる和歌を見つけたら、今回の諸説を思い出してみると楽しめそうです。

※参考文献:

石野瑛『神奈川県史概説』歴史図書社、1958年1月 楠原佑介ら編『古代地名語源辞典』東京堂出版、1981年9月

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